老人性うつ病

人生

 今65歳以上の6人から7人に一人はうつ病だそうだ。私は昔からうつ病なので、うつ病とは長い付き合いである。症状が重い時は、晴天の日に雨が降っている状態で、そんな日は苦しいが、長い体験でその症状にも慣れてしまった。酷いときは処方された睡眠薬で寝る。起きると少しは改善されている時もある。家の者には私の状態は理解されていないようだ。普通に見えているのだろう。主治医は、酷い時は何でもやれることはやると言ってくれている。主治医とも長い付き合いになり、何も言わなくても、一言で薬を変えて処方してくれる。でも多くの人は、突然発症して困っているのであろう。死を選ぶ人もいるであろう。死を選ぶ人の気持ちもよく分かる。この病気には、まずは家族の理解が必要である。症状が重度で、話なくなり、暗い顔で一日中暗い部屋で横になっていれば、おかしいと思うであろう。しかしそうでない、軽度な場合、周りから普通の生活を送れていると思われている人は大変である。でも症状は波があり、重い時、軽い時それぞれある。重い時は周りもこれは?と思うが、軽い時が多い時は大変だ。うつ病でやっかいなのはこのような場合である。家族で「苦しさ」を訴える者がいたら、良く話を聞いてやり、時には受診が勧める必要がると思う。65歳以上となれば、多くはないと思いたいが、家の働き手として大黒柱の人もいるだろう。その場合は、本人も、家族も大変である。切ないことである。知り合いで、うつ病の状態を家族に訴えたら、大丈夫だから頑張れと言われ苦しく、困っているとこぼしていた。その人は70歳になって、なお働いて家を支えている。私は50過ぎた時から発症して、その時は苦しんだ。2年間休職もした。それ以来のうつ病との付き合いである。

 私はうつ病に慣れてしまって、その過ごし方は諦めたというか、どうにでも慣れの気持ちでいる。成るようにしかならないのである。治療法も相当改善されているようだが、人間の心、脳というのは複雑だ。ただ年をとっての「うつ病」の発症は辛いであろう。年をとれば体のどこかに異常なところも出てきて、衰えることは仕方ないことだ。老い先短い将来を思い悩む人もいるであろう。だからこそ成るようにしかならないのである。いずれ寿命が来て楽になる日が来る。

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