鬱病   (鬱状態)

人生

  私は10年以上前に鬱病(鬱状態)と診断された。原因は明らかで、私にとってあの「あれ」の事件のせいである。本当にあの「あれ」の事件には悩まされ,今でも苦しんでいる。日々雨が降っているような感じが続くのである。晴れている日も、目の前は雨が降っているのである。「あれ」が起こった時は、食欲はなく酒は大量に毎日飲んで,かなり強い睡眠薬で気を失うように寝ているときだけが救いだった。今は酒を止めた。当時、時には酒を浴びる程飲んで、そして睡眠薬を飲んでも寝られず、睡眠薬をさらに2錠、3錠と飲んだときもある。よく死ななかったものと思う。働いている時、処方された昼間の薬は、仕事ができるようにとの医者の計らいで、たぶん弱いもので、いっこうに効かなかった。医者は気持ちが落ち着くと言っていたが、今はインターネットで何でも調べられる。それは弱い薬であった。お陰で毎日雨の中、通勤をしていた。睡眠不足と睡眠薬も残った状態で、通勤も集中できずよく事故を起こさなかったと思う。車で赤信号を通り抜けたことも再三あった。職場でも人と接するのが嫌だったのと、体がふわふわした感じでヨロヨロとやっと歩いていた。でも周りは,私がこんな酷い鬱とは思っていなかったようだ。仕事は必死にこなした。

  夜寝られないとき、大量に寝汗と,右目の上に痛み、右耳の酷い耳鳴り、咳が止まらないで窒息死しそうになった。徹夜で何度も職場に通った。鬱と言われる前に、内科、耳鼻科、眼科、呼吸器科などへ行った。喘息と診断されただけで、後は何もおかしなところはないと言われ愕然とした。かえって重病を告げられた方が落ち着いたと思う。ただ喘息の治療では、副作用があるが(10人?に1人にでるといわれた)世界一効く薬というものを処方された。副作用がでた。薬を飲んだら意識はあるのだが、体が動かないのである。目をきょろきょろするだけで本当に焦った。その世界一効く薬はやめたが、医者に言われた、布団を敷いたら換気すること,マスクをして寝るように言われ、それから咳は和らいだ。これは今でも続けている。最後に心療内科に行って鬱状態と言われた。3年間何とか仕事をしていたが、とても耐えられず1年半休職をした。心療内科から、町で評判の精神病院に変えた。その病院の病院長とはもう10年以上の付き合いになる。その時鬱状態から鬱病と言われた。休職しても,昼間家にいることの後ろめたさと,症状は変わらず苦痛であった。これでは駄目だと、その後もう一度気張って2年間勤めた。この時道元に出会い、呼吸法を覚え少し救われた。復職の際に、みんなの前で自分は鬱であると正直に言った。しかし限界を感じ1年早く辞めた。

 鬱はあの「事件」が原因であることは明白であるが、残念ながらこの問題は解決しない。今は対症療法で対応している。酒をやめ、睡眠薬、昼間飲む薬を少し変えて貰い何とか過ごしている。でも気持ちは落ち込み読書もしなくなった。医者には気楽に,好きなように過ごせと言われるがそれが難しい。医者にも鬱の原因になった事柄を話すことは出来ない。今はこれを書いて,書くことに気が向いているのは良いことか。昔読んだ本やテレビのドキュメンタリー番組を思い出し、インターネットで調べたりして、これを書いて過ごしている。これは抗うつ剤より効いているかもしれない。色々思い出したり,本を探したりして、これを書いているのは、私に生きるという力がまだあるからだろう。夜は睡眠薬と呼吸法で寝ている。でも朝起きれば毎日雨は降っている。

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