学ばなければならない 差別

世相

 むかし星由里子が出演していた「千曲川絶唱」という映画を見て、原爆被害者への差別を初めて知った。ストーリーもはっきり覚えていず,間違った部分もあるかもしれないが勘弁して貰いたい。主演の男優は忘れたが,広島出身で被爆をしたが、元気に生活を送っていた。しかしちょっとした症状から病院で見て貰ったら白血病と判明する。最初はこの事を知らされないが、どんどん症状は悪化し、何時しか知ることとなる。最後は星由里子に看取られて亡くなる。

   原爆被害者は短命で,白血病という不治の病を抱えているという偏見から結婚を断られたり、仲を割かれたり、言われなき差別を受けた。そのため広島・長崎出身であることを隠したり、親族に関係者がいると、それも隠そうとしたりした。被爆で傷つき,差別で一層傷つき一生を終えた人も多いのではないか。今はどうなのだろうか。福島はどうなっているのだろうか。福島第一原発事故に伴う風評に基づく偏見、差別はいまだにあるようだ。原発事故の現実を真摯に受け止めながら、理不尽な差別は無くしたい。

  水俣病でも患者への許しがたい差別は見逃せなかった。水俣市はチッソに依存した町で、チッソに関係した人達の患者への差別は酷い。また松本清張の映画「砂の器」では、ハンセン病の差別を描写していた。ハンセン病に罹患した父(加藤嘉)とその子が、行く先々でハンセン病のため、いわれなき差別や迫害を受け,父が倒れ保護される。子供はその後音楽家になって名をなすが、倒れた父を保護した警察官に身元がばれ殺害するのである。印象に残る映画であった。ハンセン病に対する正しい知識と理解は、いまだ十分とはいえない状況にある。今もハンセン病にかかった患者・元患者やその家族が、周囲の人々の誤った知識や偏見等によって、日常生活、職場、医療現場等で差別やプライバシー侵害等を受ける問題が起きているようだ。

  世界各地には、生まれた国、人種、民族、宗教、性別、障害の有無など本人に何ら責任が無いのにもかかわらず、差別を受ける事例が多々ある。差別は昔からあって、これからも形を変えて起こるであろう。その時我々は自分自身が差別の実態をしっかりと理解しているか,常に考え、学んでいかないといけない。差別は許さないというのは簡単だが難しい。

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