私の家の周りも空き家が増えてきた。私の知り合い達に、子供が親と同居しないで、実家の側にアパートを借りたり、新築の家を建てたり、別居する人が目立つ。新築の家を建てることに至っては、同居も可能なのに親子関係が、原因だろうがもったいないことだ。ある友人の子供が薄給なのに、ローンを組んで新築の家を買ったと聞いた時はびっくりして将来を心配した。ローン破綻も話題になっている時、実家のすぐ側に新築するとは何を考えているのかと思った。仕事も決して安定したものでないのに冒険だ。私には関係ないことだが、心が騒ぐ。新築するくらいなら実家をリフオームすれば良いのにと思った。これが私の性分なのだが。親御さんも気がかりだろう。
銀行も”スルガ銀行”の”カボチャの馬車”不正融資問題はおぞましい事件だった。知人の子のローンは銀行でも審査はやったのだろうが、無理な融資のように思われる。そして返済できなくなったら競売にかけるなどして、どう転んでも銀行が損をしないようなシステムになっているとしか思われない。銀行は何で薄給な上に、将来がどうなるか分からない小さな民間企業の子に貸し出したのか。その子の両親が亡くなれば空き家が一軒増える。
お母さんに車に乗せて貰い外に出ると気になるのが空き家である。私は免許を持っているが運転は辞めた。我が家の前の道沿いの家に空き家が増えた。売り家も出ているが更地にでもしないとどうにもならないだろう。更地にしてアパートでも建てれば、また事情も違うだろが気が重くなる。空き屋には小さな土地に、建てられたものが多く、更地にしても買い手がつかないものが多いように思う。
空き家が生まれる流れとしてあるのが、子供が家を離れ、親が年老いても家を継がず、親が亡くなっても家は放置というものである。私の親戚でもそうなりつつある家が何軒もある。また結婚しないで子供のいない人も、その人が亡くなれば空き屋となる。若者が地方に戻っても仕事がないことも原因と考えられる。私の若い頃、高校は大学進学率を上げるよう言われていたようだ。新聞に都道府県別大学進学率ベスト、ワーストランキングというのがあって、何がベストかと新聞社に指摘したことがあった。進学しないで就職するのが悪いと言うのか。高校は大学進学率を上げるのに躍起になり、結果都市圏への大学進学が増え、大学を卒業したが地方に戻らず(地方に仕事がない)都市圏で就職するケースも多くなった。起業の地方移転も考えて欲しいものだ。大学進学を悪いと言っているのでは無いが、地方には親だけすなわち年寄りだけが残る。年寄りが亡くなれば空き家が増える。地方の人口減は将来の大きな問題だ。国も経済界と連携して地方の過疎化対策を講じてほしい。
冒頭話した実家近くに新築を買った子供だが、事情は詳細には知らないが、親子間の対立というと、大げさのようだが何かしらあったようだ。何とかお互いの生活を大事に考えてほしいものだ。親子共々潰れてしまう可能性がある。その親と私は話をしたが、複雑な表情のその親に同情を覚えた。家族の在り方も変わったものだ。空き家の原因の一端には家族の在り方に問題があるのかもしれない。昔は子供も多く,長男が家を継ぐか、女だけだと婿を貰って家を継ぐことが普通に行われていた。それが今少子化で、このようなことが少なくなってきた。
空き家の原因をまとめてみると、1.高齢化社会、少子化による居住者の減少や転居、2.相続による所有者の不明や管理の放棄、3.住宅供給過剰による需要と供給のバランスの崩れ、4.地方から都市への人口流出による地域格差等が考えられる。空き屋は火災や倒壊の危険性が高く、周辺の景観や安全性を損ない、防犯上も問題がある。空き家がすぐ側にある者は気が気でないだろう。まだ元気の時、孫の通うであろう通学路歩いた。車ではわからない空き屋や、放課後の帰り道は人通りもなく怖く感じた。人に気づかれずに、小学生低学年を、あっという間に空き屋に引き込むことが可能である。怖い。
空き屋問題に対処するためには、国や自治体、住民などの関係者が協力して、空き屋の把握や管理、活用や解体などの対策を進める必要があり、空き屋問題は地域ごとに状況や要因が異なるため、地域の特性やニーズに応じた柔軟な対応が求められる。空き屋問題は、人口減少や少子高齢化に伴って今後も深刻化する可能性が高く、それらは全て連動しているように思われる。そしてそれは、日本社会全体の大きな課題である。